ポータブルプレーヤーでハイレゾ

2016年4月11日

【牧野良幸のハイレゾのすゝめ】第6回 ポータブルプレーヤーで聴く(その2)

Theme Tag


ハイレゾのすすめ

文と絵 牧野良幸

CDに代わりハイレゾを聴く、そんな新しいオーディオの楽しみ方が始まっている。しかしハイレゾとはいったいどんなものか分からない、という方もまだまだ多いだろう。この「ハイレゾのすゝめ」を読んで、どうかあなたらしい極上のハイレゾ・ライフを手に入れていただきたい。

【登場人物】
ナマズ所長 音楽好き、オーディオ好きのオヤジ。ハイレゾが三度のメシよりも好き。
音野ハジメ 音楽好きの20代。最近ハイレゾに興味を持ちはじめたばかり。

第6回 ポータブルプレーヤーで聴く(その2)

ナマズ所長 それではポータブルプレーヤーを聴いてみよう。言うまでもないけれど、ヘッドホンもなるべく高音質なものを使用してくれたまえ。

音野ハジメ わかってます。若者はヘッドホンにこだわりますから大丈夫。

ナマズ所長 それはよかった。いくらハイレゾでもチープなヘッドホンでは効果を発揮できないからね。さあ聴いてごらん。

音野ハジメ (聴いてみる)確かに音がやわらかい気がします。

ナマズ所長 ハイレゾの音はスピーカーで聴いたほうが、その特徴がわかりやすいけれども、ヘッドホンでもそれなりにわかると思う。僕など耳もとにやさしい音が吹きかかる気がするね。

音野ハジメ これなら本格的リスニング・ルームが持てた気がします。

ナマズ所長 僕は寝る時に布団の中にもちこんで聴いているよ。いわゆる“寝床オーディオ”。目をつむって交響曲を聴いていると極楽だ。キミが生まれる前は同じことをカセットのポータブルプレーヤーでしていたものだけど、いちいち聴くカセットを選ぶのが大変だった。

音野ハジメ カセットは見たことがあるような、ないような。

ナマズ所長 CDのポータブルプレーヤーなら知っているよね。でもそれでもディスクの入れ替えはしなくちゃならない。

音野ハジメ それがMP3プレーヤーの登場で画期的にたくさんの音楽を入れられるようになったと。

ナマズ所長 しかしそのMP3プレーヤーは、たくさん音楽が入るけれども圧縮音源。逆に音が悪いという欠点があった。ヘッドホンでじっくり聴いたら、それこそ“耳”もあてられない(笑)

音野ハジメ それが今やCDを上回る音質で、MP3プレーヤー並みのアルバムを収納できるわけですね。僕ぁ、いい時代に生まれたなあ(笑)  しかし今は室内で聴いています。外でも聴いてみたいですね。

ナマズ所長 よし出かけよう。まずは駅までハイレゾを聴きながら歩いてみよう。

(二人、家をでる。バッハのピアノ曲を聴く)

音野ハジメ 所長、街の音や車の走行音も耳に入りますが、不思議と音楽と混じることなく聴けますね。歩いていても耳もとに音空間がついてくる感じで、ピアノの音がふわっと聴こえます。

ナマズ所長 そうこうしているうちに駅に着いたよ。電車に乗ろう。

音野ハジメ はい、電車のなかではさすがに音漏れを気にしたくないし、騒音も遮断したいのでイヤホンにします。もちろんイヤホンも高音質のものですよ。

(二人、電車に乗る。今度はロックのハイレゾを聴く)

ナマズ所長 どうだい?

音野ハジメ イヤホンにするとより音楽に集中できますね。正直、電車のなかでハイレゾを聴いても、MP3と変わらないかと思っていましたけど違います。現実には音は外に漏れていないけど、隣や前の座席の人の範囲まで音空間があるかのようです。

ナマズ所長 文字どおりリスニングルームを外に持ち出した感じだね。

音野ハジメ 車両内の騒音はそれなりにありますが、先ほどと同じで、音楽とは別に感じて気になりません。

ナマズ所長 さて街に着いたよ。電車をおりて喫茶店に入ってみよう。

(二人、駅を出て喫茶店に入る)

音野ハジメ 普段はスマートフォンのチェックばかりしている喫茶店ですけど、コーヒーを飲みながらハイレゾを聴くのもオツですね。ジョン・コルトレーンのハイレゾを聴くと、まるでジャズ喫茶にいるみたいです。

ナマズ所長 コルトレーンのハイレゾは、やわらい音空間というより、サックスがナマナマしく飛び込んでくる音だけど、けっして乱暴ではないよね。ずっと聴いていられる。

音野ハジメ はい、こういう“本格的ジャズ喫茶”ができてしまうのも、ハイレゾのポータブルプレーヤーならではです。会社から帰るときは毎日、喫茶店で聴こう!

 

06ポータブルプレーヤーで聴くその2

 

ナマズ所長 いろいろな場所でハイレゾを聴けるのがポータブルプレーヤーのいいところだね。さて、これでポータブルプレーヤーについての講義は終了だ。

音野ハジメ え、もう終わりなんですか。何か御馳走しますからもっと話してくださいよ。

ナマズ所長 ではキャラメルマキアートをもらおうか。それでは最後にポータブルオーディオのグレードアップの話をつけ加えておこう。これ、キャラメルマキアート1杯で聞くにしては貴重な話だぞ(笑)

音野ハジメ よろしくお願いします。

ナマズ所長 ポータブルオーディオのハイレゾは、これまで聴いてきたようにいい音なんだけれど、ポータブルオーディオにポータブル・ヘッドホンアンプを接続して聴くとさらに音がよくなる。

音野ハジメ “ポータブル”に“ポータブル”を足したらポータブルではなくなりそう(笑) 僕はシンプルなオーディオが好きなんです。

ナマズ所長 僕も最初はそう思っていた。ヘッドホンアンプなんてコアなオーディオ・マニアが好きなだけじゃないかと。しかし実際にポータブル・ヘッドホンアンプをつけて聴いたら、もう。

音野ハジメ そんなに音が変わりますか?

ナマズ所長 ポータブル・ヘッドホンアンプをつけると、ハイレゾの音がさらに濃くなるのが、まぎれもなく実感できるよ。その違いたるや普通のジュースが“濃厚ジュース”になったみたいだった。

音野ハジメ それは大分違いますね。

ナマズ所長 僕が聴いたのはOPPOのHA-2というヘッドホンアンプとiPhoneの組み合わせなんだけどね。本当に濃い音になった。ハイレゾを極めたいなら、ぜひポータブル・ヘッドホンアンプを加えてくれたまえ。

音野ハジメ わかりました、ボーナスで考えます。

ナマズ所長 これはためになった情報だろう? ならキャラメルマキアートをもう1杯もらえないか。

音野ハジメ だめ、一杯だけ。

ナマズ所長 シンプルだね(笑)。では次回また。

【牧野良幸のハイレゾのすゝめ】第7回は スマートフォンでハイレゾを聴く です!
文と絵 牧野 良幸(まきの よしゆき)
イラストレーター。1958年 愛知県岡崎市生まれ。
大学卒業後、81年に上京。版画家として活動しながら雑誌のイラスト、レコード・ジャケット、絵本の仕事などをおこなう。そのいっぽうで音楽やオーディオ好きのため、雑誌やWEBに音楽エッセイを執筆中。今までの音楽遍歴を綴った本として『僕の音盤青春記/1971-1976』『同/1977-1981』(音楽出版社)『オーディオ小僧の食いのこし』(共同通信社)。2015年には念願のビートルズ本として『僕のビートルズ音盤青春記 Part1/1962-1975』『同 Part2/1976-2015 』(音楽出版社)を上梓した。
■ホームページ「マッキーJP」http://mackie.jp

関連記事

pota_000_thmub

【ポタ研 2017冬 レポート】目玉はやはりONKYO『GRANBEAT』、そして超ド級Astell&Kern『AK380SS』

2017年2月22日

GRANBEAT DP-CMX1_thmub

【ポータブルオーディオLab】『DP-X1』直系の高音質スマホ ONKYO『GRANBEAT』を徹底解剖

2017年2月16日

granbeat_thmub

オンキヨー&パイオニアイノベーションズがハイレゾ対応スマホ『GRANBEAT DP-CMX1』をリリース

2017年1月29日

E001_thmub

スマホ用ハイレゾプレーヤーアプリ「NePLAYER」がmoraと連携 購入済みのハイレゾ楽曲をPCレスでダウンロード可能に

2016年8月19日

Book

第30巻好評発売中!

隔週刊CDつきマガジン

JAZZ VOCAL COLLECTION

BUY

牧野良幸のハイレゾのすゝめ